純粋の探究

· 彩流社
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戦争は国家が企てる途方もない愚行である

求められるのは上官に対する屈辱的で盲目的な服従のみである

 

『服従の拒絶 Refus d'obéissance』(1937年)

『純粋の探究 Recherche de la Pureté』(1939年)

『ドミニシ事件覚書 Note Sur L'Affaire Dominici』(1954年)を収載。

 

第一次大戦に参加したジオノは、今にも戦争が勃発しそうな不穏な空気を読み解こうと、反戦の書『服従の拒絶』を、さらに宣戦が布告されると『純粋の探究』を発表。

国家の意図によって国民がまきこまれる戦争の無意味さ、欺瞞的側面をあばきだそうと試みた。

その後、政治には口出ししないと決めていたジオノだったが、ガリマール社の依頼で、迷宮入り間近で、殺人現場の近くに住む農民が犯人とされ死刑宣告された「ドミニシ事件(1952年)」の裁判を傍聴。ジオノは彼が犯人だとはとても思えない。

そして『ドミニシ事件覚書』を判決直後に出版。

ジオノはこの裁判の問題は、被告の貧しいフランス語力にあるということと、裁判長や陪審員たちの判断がいかに偏見と思いこみに基づいているかということを豊富な実例を挙げて明解に指摘した。

この地方の農民の生活を知悉するジオノだからこそ、書くことができた作品であった。

著者について

Jean Giono.1895~1970.

作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。

16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。

邦訳書に

『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、

『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、

『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、

『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、

『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、

『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、

『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、

『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、

『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。

(ヤマモトサトル)

1946年、兵庫県生まれ。フランス文学者、信州大学名誉教授。1969年、京都大学文学部卒業。1977年、同大学院博士課程中退。1978年、信州大学教養部講師、のち農学部助教授、教授。2012年、定年。ジャン・ジオノを研究・翻訳。

著訳書に

『ジオノ作品の舞台を訪ねて』(山本 省 著、彩流社、2017年)、

『憐憫の孤独 フィギュール彩』(ジャン ジオノ 著、山本 省 訳、彩流社、2016年)、

『天性の小説家 ジャン・ジオノ フィギュール彩』(山本 省 著、彩流社、2014年)、

『丘 岩波文庫』(ジャン・ジオノ 著、山本 省 訳、岩波書店、2012年)、

『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、

『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、

『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、

『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、

『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、

『木を植えた男』(ジャン・ジオノ 著、山本 省 訳、彩流社、2006年)、

『喜びは永遠に残る』(ジャン ジオノ 著、山本 省 訳、河出書房新社、2001年)、

などがある。

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