初期「牧神三部作」(『丘』『ボミューニュの男』『二番草』)のあとに書かれた作品で、ジオノ文学の重要な要素が見事に凝縮された内容豊かな傑作である。
これ以降に出版される多種多様な作品群を予告するような物語が多く含まれており、ジオノ文学の扇の要にたとえられるような作品だといえよう。
Jean Giono(1895-1970).
南フランス、オート=プロヴァンスのマノスク生まれ。
第一次大戦出征。1929年に出版された『丘』がアンドレ・
第二次世界大戦では、戦争の無意味を[説き、
1953年に書かれた『木を植えた男』は、雑誌「リーダーズ・
しかしこの作品はその後、二十数か国語に翻訳され、
やまもと・さとる
1946 年兵庫県生まれ。信州大学名誉教授。
主な著書には『ジャン・ジオノ紀行』(彩流社)、
主なジオノ作品の翻訳には『喜びは永遠に残る』(河出書房新社)